成果主義の理想と現実

1990年代、バブル経済の崩壊により、業績の回復・向上を目指して、成果主義人事制度の普及が進みました。しかし、成果主義の運用はうまくいかず、2000年代には多くの企業で見直しが行われることになりました。近年では、揺り戻しがあり、また成果主義が見直される傾向にあります。その背景には年功制を維持できる企業が減っている経済情勢があります。成果主義は今、単なる結果主義ではなく、日本企業にも合う形に進化しています。

日本の成果主義

成果主義とは

人事評価においては業務の成果を基準として、給与や処遇を決定すること。成果主義人事制度では曖昧さの排除、事前に成果を特定すること、成果を重視する社内の理解が前提となります。

成果主義の理想と現実

成果主義の理想 
現実
成果に応じた公平な処遇を実現する 適正な評価がされず、不満が蓄積する
挑戦意欲を高め、業務の拡大や業績の向上を目指す 評価を意識して、達成しやすい、簡単なものだけを目標に設定するようになる
成果を達成したメリットを動機付けにする 成果に着目しすぎることで、短期的な結果主義となり、逆に成果が出にくくなる
成果につながる個人の目標に集中する
個人主義が助長し、組織全体の業績を上げるための協調的な活動をしなくなる
全社レベルで成果主義の風土を醸成する 組織目標と個人目標の方向性が徹底されない
主体的、自律的な社員像 成果目標以外の関心が低くなり、人材育成が軽視されるようになる

 これまでの成果主義で陥った傾向

  • 結果だけを重視し、売上以外には客観性がない評価で不満が増加する。
  • 短期的な目標・結果を追求し、長期的視点を持たなくなる。
  • 個人主義が助長し、部署間や組織内でのつながりが希薄化し、チームワークが軽視される。
  • 後進の育成より自らの職務とスキルアップを優先するので、人材が育たない。
  • リスクが高い新規ビジネスなどへの挑戦意欲が低下し、革新的な商品が生まれにくくなる。

 これからの成果主義とは

  • 成果を上げるために社員を育てることを重視する。
  • プロセスや過程を無視した結果主義ではなく、仕事に携わる貢献度を評価する。
  • 事前に成果を特定する。
  • 成果につながるプロセスを把握する。
  • 成果につながるコンピテンシーを把握する。

まとめ

これからの成果主義、新成果主義では年功序列の不公平感を解消し、若くても会社、仕事への貢献度が高い社員を評価することが大切です。やる気と実力のある社員を適切に評価することで、社員の能力開発が進み、生産性を高めることにつながります。
今後は中小企業においても成果とプロセスのバランスをとった新成果主義が主流になると考えられます。人事制度は企業の経営戦略を支えるものですので、目的と方針を明確にして導入することが重要です。

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