人事制度を取り巻く環境変化

人事制度を整備するうえで、様々な環境の変化に的確に対応することが必要となります。近年、法令の動向もあり、人事制度を取り巻く環境が刻々と変化しています。経営にはどのような影響があるかを知っておくことが大切です。

人事制度を取り巻く環境

1.人事制度の変遷

時代 人事制度
1950~60年代 高度成長期 年功序列、終身雇用
1970~80年代 安定期バブル経済期 能力主義、終身雇用
1990年代 バブル崩壊 成果主義、中途採用
2000年代 デフレ長期化 成果主義見直し、雇用の多様化
これからの人事制度 複数の要素を組み合わせる新しい成果主義、多様な正社員

2.環境の変化

(1)経済における環境変化

  • 低成長化
  • 賃金の上昇
  • IT化
  • グローバル化

(2)社会における環境変化

  • 少子高齢化による生産性向上の必要性
  • 女性活躍の推進
  • 雇用形態の多様化

(3)法令の動向

  • 長時間労働の是正
  • 育児休業制度
  • 介護休業制度
  • パートタイム労働法
  • 労働契約法

3.変化に対応する人事制度の課題

  • 多様な雇用形態の検討
  • 柔軟な勤務形態の検討
  • 適正な処遇制度の検討
  • 人材育成と能力開発の見える化

人事制度見直しのタイミング

「人事制度」は社員の意欲・能力を向上させ、経営戦略を実現することを目的とした仕組みです。低成長経済の時代に入り、「終身雇用」「年功序列」を維持できる企業は減りました。企業変革が進むなか人事制度にも大きな転換が求められています。

1.人事制度の役割

人事制度の中心的な役割を果たす「等級制度」「評価制度」「報酬制度」は、それぞれの制度が相互に関係し、企業の方針を支える人材マネジメントシステムです。実情に合わせて、課題に対応できるものへ移行していくことが必要となります。特に「評価制度」の明確化ができていなければ、企業の方向性を示すことは難しく、適切な制度の整備が求められます。

2.これからの評価制度に求められるもの

  1. 人材育成を兼ねた人事評価
  2. 結果のみを評価する成果主義から成果を出すためのプロセス(行動)も評価する新成果主義
  3. 評価基準があいまいな相対評価から評価基準を明確にする絶対評価
  4. あらかじめ設定された抽象的な目標から自己設定する具体的な行動目標
  5. ほとんど差がつかない評価結果からメリハリのある評価結果
  6. 社員が不満を持つ評価制度から社員のやる気を引き出す評価制度

3.見直しのタイミング

  • 経営陣が変わったとき
  • 社員が増えたとき
  • 組織変更をしたとき
  • 創業年など区切りがよいとき
  • 生産性向上など経営課題があるとき など

まとめ

売り手市場のなか、企業にとって、特に人材の採用・配置・育成は大きな経営課題となっています。人事制度は経営を支える人材マネジメントシステムといえます。環境の変化を迅速に読み取り、会社の未来に対する投資と考えた中長期的な施策が求められます。年功制から能力重視、近年は職務・役割を重視する制度へと移行が進んでいます。
企業の成長にとって、多様な人材を活用すること、育成して競争力を高める人事制度は不可欠になっています。

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