働き方改革と人事評価制度

人手不足が続き、生産性向上を実現するために、企業では社員数にかかわらず人事評価制度への関心は急速に高まっています。働き方改革では勤務の柔軟性と長時間労働の是正が焦点となっていますが、残業の許可制など物理的な制限は行えても、時間に対して給与を支払い続けていれば、効率的な働き方を浸透させるのは難しいといえます。これからの人事評価制度には何が求められているでしょうか。

働き方改革との関係

1.働き方改革の目的

年功と時間で給与を決定してきた日本では主要国に比べ労働生産性の低さが目立っています。労働人口が減少するなか一人当たりの生産性を上げる必要があり、働き方改革では柔軟で多様な働き方で労働力を確保し、生産性向上につなげたいとしています。

2.働き方の価値観

長い労働時間 = がんばりという価値観のままで、同じ成果を上げても早く帰る人より残業する人の方が評価されていては、勤務の柔軟性も長時間労働の是正も実現できません。残業を制限しても根本的な意識が変わらないので、早く帰ることの罪悪感、長く働くことの満足感のようなものが残ってしまいます。

3.働き方改革に必要な意識改革

「生活残業」という言葉に表れているように残業代を当てにしてきた社員もいるはずです。残業時間を削減して、給与も単純に減少するのでは社員のやる気を引き出し、生産性を向上させることはできないでしょう。給与、評価には意識を変える新たな指標が必要になってきます。

4.時代に適合した人事評価

完全な「脱年功給」「脱時間給」は中小企業には馴染まないかもしれません。それでも時代にマッチした人事評価制度を運用していくことは、時間ではなく仕事の貢献度や目標の達成度で給与が支払われるという意識を日常業務のなかで定着させることにつながります。

求められる人事評価制度

1.生産性に見合った給与の調整機能

  • 給与水準を是正する
  • 貢献度に応じて配分する(貢献度と給与のギャップを是正する)
  • 業績に応じて配分する

2.採用力強化と離職率低下の機能

  • 新卒採用の受け入れ体制を整える
  • 中途採用と公平な処遇にする
  • 人事評価の不満で退職する優秀な社員を減らす

3.社員の生産性を向上させる機能

  • 社員のやる気をアップさせる
  • 社員の能力、実力をレベルアップする
  • 緊張感を持って業務に取り組む

4.経営者のメッセージを伝える機能

  • 日常的に全社目標を意識させる
  • 経営理念を浸透させる
  • 経営戦略を実現させる

5.時代の流れに対応する機能

  • 年功制を見直す
  • 成果主義のバランスを見直す
  • これまでの評価基準を変更する
  • 評価基準を明確にする
  • 経営環境の変化に対応する

まとめ

人事評価制度は大企業のものというイメージが強いですが、制度がないまま最低賃金の引き上げ、賃上げ傾向が続くと、生産性・貢献度に見合った給与配分ができず、企業力が弱まりかねません。
中小企業・ベンチャーでは管理や査定のためではなく、経営を支える仕組みとして、人事評価制度を活用することが重要です。企業方針に適した制度で、経営戦略を実現することが最終的な目的です。

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