離職防止策としての人事評価制度

中小企業・ベンチャー企業で人事評価制度を導入したり、見直すきっかけとなるのは、社員の離職に関わる理由が多く、その場合、緊急性が高くなっています。離職防止策としての人事評価制度の可能性とは?

人事評価制度の離職防止効果

人事評価制度導入のきっかけ

  • 優秀な社員の退職
  • 創業からの社員の退職
  • 一度に大勢の退職
  • 新入社員の早期退職
  • 中途採用の不定着など
辞めてほしくない社員の退職は企業力を弱めかねない深刻な経営課題です。企業では離職を防ぐために様々な人事施策を行い、社員の定着率向上に努めています。

有効だった離職防止策

1 賃上げ 53.0%
2 評価制度の見直し 24.8%
3 残業の抑制、有給休暇が取得しやすい環境づくり 24.1%
4 柔軟な勤務体制の導入 21.4%
5 配置転換、勤務地などに対する希望の考慮 19.7%

マンパワークループ株式会社「正社員の離職防止に関する調査」(2014年)

調査では賃上げが有効な離職防止策になっています。賃上げの実施は難しいと感じる企業も多いかもしれませんが、賃上げから社員の定着、業績向上へつなげる好循環を評価制度と併せてつくることができます。

(1)明確な目標設定

具体的な目標を設定することで、若手社員、特に新入社員にとっては、自分が何をすればよいか明確になり、安心感につながります。中途採用やベテラン社員にとっては、全社(部門)目標と連動する個人の目標は、公平な指標となり、モチベーションが高まります。

2.上司との面談

人事白書2015年では若年者に対する有効な離職防止策として、3年連続「上司による定期的な面談」が1位になっています。人事評価では中間面談、フィードバック面談を行うことで、業務の一環として自然に定期的な面談を実施することができます。

3.納得性の高い評価

一律の給与改定や年功的な処遇では、たとえ毎年昇給していても、優秀な社員にとっては不満が強くなります。不公平感を是正し、真に公平な評価を行うことが本当の意味で社員の貢献に応えることになります。

4.給与への反映

評価が上がったり、役職に就いても、給与が変わらなければ必ずしもモチベーションアップにはつながりません。期待した分、かえって逆効果で、転職を考えるきっかけになることさえあるかもしれません。評価を給与に反映する仕組みにすることが必要です。

まとめ

適切な評価制度を運用することで、社員が高い目標を持ち、日々の行動が変わり、成果を上げられる循環ができます。行動改善の積み重ねが生産性向上、業績向上につながります。
売り手市場が続くなか、人材採用に課題のない企業はないといわれています。せっかく採用した社員、一緒にがんばってきた社員を辞めさせては、経営へのダメージは計り知れません。社員の成長が企業の成長そのものだからです。何も対処しなければ、優秀な社員が辞めて、新たな採用もできない恐れがある時代になってきています。

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