労働時間Q&A

労働時間

時短勤務者に育児時間も必要ですか?

1歳未満の子がいる従業員に短時間勤務制度を適用しています。急病などで保育園へ迎えに行くときには早退扱いにしています。「育児時間」の請求があった場合、併用を認めなくてはいけませんか。

A.短時間勤務と育児時間は別に措置する必要があります。

短時間勤務制度は、1日の所定労働時間を原則6時間とする措置を含むものでなければなりません。短縮後どのように始業・就業時刻を設定するかは就業規則などの定めによります。

育児時間については、労働基準法第67条で定められています。生後満1歳に達しない生児を育てる女性は、1日2回各々少なくとも30分、生児を育てるための時間を請求することができることになっています。育児時間中、使用者はその女性を使用してはなりません。

通達(平21.12.28雇児発1228第2号)では、「育児時間と所定労働時間の短縮措置は、その趣旨及び目的が異なることから、それぞれ別に措置すべきもの」としています。

保育園の往復を含めて30分の育児時間が与えられていれば違法ではないとする解釈があります。勤務時間の始めまたは終わりに請求してきたとしても、与える必要があるとされています。

休憩の一斉付与を適用除外としている場合、休憩を任意に分割してよいでしょうか?

労使協定を締結し、1時間の休憩を一斉に与えなくてよいこととしていますが、社員を休憩中に呼び出した場合、30分休憩した時点で呼び出したら、その後30分休憩させれば問題ないでしょうか。

A.自由な利用が前提です。

一定の事業を除き、休憩時間は一斉付与が原則ですが、これは労働者が休憩時間を自由に利用できることを担保するためとされています。しかし労務管理の個別化や自立的な働き方の進展などで、自由利用を担保する手段として一斉付与を義務付ける必要が低下しており、一斉付与の適用対象事業でも労使協定による適用除外が可能です。

ただし、休憩時間は労働者が自由に利用できることが大前提です。労使協定には休憩時間の与え方を定めることが必要なので、休憩中に使用者が自由に呼び出せることにはなりません。また、法律上は労働時間の分割に制限はありませんが、休憩開始から中断までの時間が極端に短いと労働から完全に解放されたとはいえず、残り時間を付与しても必要な長さの休憩時間を与えていないことになり、違反と判断される可能性もあります。

研修や自習は時間外労働になりますか?

業務に必要な技術習得のための研修がよく終業時刻を超えてしまいます。居残って勉強する社員もいて、残業が増えてしまわないか心配です。どのように考えるべきなのでしょうか。

A.任意参加であれば時間外となりません。

使用者が就業時間外に行う教育訓練が時間外労働に当たるかどうかに関して、労働者が参加しない場合に「就業規則上の制裁などの不利益取扱による出席の強制がなく自由参加のものであれば、時間外労働にはならない」と解されています。
使用者が実施する研修でも、参加を労働者の裁量にゆだねていれば労働時間にならず、使用者の指示とは関係なく行う自習も時間外労働としなくて良いことになります。

ただし、技術習得を長時間行った労働者が自殺し、当該自習時間を時間外労働と同視して使用者の安全配慮義務違反を認めた判例があります(医療法人甲会事件 札幌高判 平25.11.21)。労働者の自由な意思でもそれが業務上の必要に迫られたもので、結果的に過重労働となり心身の健康を損なった場合は労務管理上の責任を問われることがあるので、時間外労働でなくとも使用者は業務の実態を把握しておく必要があると考えられます。

変形労働時間制を導入する際の注意点は何ですか?

月末月初に業務量が増える一方、月半ばは少なくなります。時間外手当も多くなるので、変形労働時間制を導入したいと考えています。注意点はありますか?

A.変形労働時間制のもとでも時間外労働が成立する場合があります。

変形労働時間制とは、一定の単位期間について週あたりの平均労働時間が週法定労働時間の枠内に収まっていれば、1週または1日の法定労働時間の規制を解除することを認める制度です。変形労働時間制によれば、労働時間の長い週または日と短い週または日との間で、労働時間を平均し、その平均が週40時間を超えるか否かが労基法違反の判断基準となります。

1ヵ月単位の変形労働時間制は就業規則か労使協定の締結が必要となります。1年単位、1週間単位の変形労働時間制では労使協定の締結が必要です。

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